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【異常検知コラム】AIはどうやって異常を検知するのか?

AIを用いて異音検知や異常検知を行う場合に、何をやっているのか検討が付かない方も多くいらっしゃると思います。本記事では、そのような疑問を解決できるよう、AIの作り方概要について解説をします。

AIとは

AIとはいわゆる人工知能のことです。人間が感じる知覚や知識、判断に至るプロセスを人工的に再現することで、高度な作業を行えるようになります。
AIに対する世間の誤解として、「AIは何でもできる」という意見がありますが、実際にはまだそのレベルまで達していないことが実情です。
ですが、特定の領域では人間を凌駕するような性能を発揮することも分かっており、いくつかの分野で社会実装が始まっています。
ビジネスでよく言われる「AI」とは、このように目的ごとに最適化されたものを指します。

ビジネス利用のためにAIをつくる際には、この目的の設定が最も大切なこととなります。
例えば、異常音検知であれば、「モーター製品の出荷良否判定の際に、異常と思しき製品を見逃したくない」ことや「空調機械室の巡回点検をする際に、現地にいなくても状態を可視化できるようにしたい」というケースが挙げられます。

自社にAIを導入するためには?

ビジネスに導入するためには以下のような手順を検討する必要があります。

  • AIの導入目的を決める
  • AIに期待する精度を決める
  • 目的のデータを収集する
  • データ解析をして有効な特徴量を見つける
  • 機械学習モデルを作成する
  • 業務システムとして利用できるようにする

詳細については、以下の記事で解説させていただきます。

AIで音を判断させるための手順は?

当社は異音検知サービスを提供しておりますが、音をAIで活用するために次のような処理を行っています。

スペクトログラムの作成

音のデータを処理するために、元音源ファイルに対して高速フーリエ変換(FFT)を行います。FFT解析では、時刻ごとの波形情報にたいして、どの周波数成分をどのぐらい含んでいるかを検出します。時間ベースでの信号から、周波数ベースでの信号へ変換を行います。

特徴量情報の分析

特徴量とは、とある指標を数値情報に置き換えたものを指します。例えば人間で言えば、身長や体重などのもともと数値で置き換えられるものもありますし、男性=0、女性=1、その他=2といった置き換えるためのものさしも特徴量だということができます。

音でいえば、例えば大きさ(デシベル)のようなものもあれば、高さなども数値として表現することができます。

アルゴリズム化

得られた特徴量情報をもとに、仮説を実現するためのアルゴリズムを作りだします。例えば、単純な例でいえば次のようなものもアルゴリズムだと言えます。

「身長が大きい、かつ 声が低い、かつ 肩幅が広い」 の時は、身体的な性別が「男性」である可能性が高い。

機械学習モデルを作成する

学習モデルの作成をしながら、机上や実地での精度検証を行いつつ、最適なモデルを選択していきます。

このような作業を繰り返す中で、目的を達成できる異音検知AIを作成していくこととなります。

AI異音検知とは?

AI異音検知とは、機械やモノ、生物が正常稼働している場合の音と、異常な状態になっている場合の発する音を機械学習させることで、安定的なモニタリング、異常発見、予兆検知などに役立てる技術です。熟練した職人の耳で判断している知見をAIに学習させる取り組みであり、「人の耳で聞いてわかることは、すべて検出可能」だと考えられています。 音による異音検知は、工場インフラの異常検知や非破壊検査、機械音検知をはじめとして、足音や防犯、ヒトの発する音や動物の鳴き声など、幅広い業種・業態で利用することが可能です。